フェーズドアレイ超音波探傷器 OmniScan X4 (株式会社エビデント)

主な特長
アプリケーション
仕様
カタログ

フェーズドアレイ超音波探傷技術に加え、すべてのOmniScan X4モデルは位相コヒーレンスイメージング（PCI）、トータルフォーカシングメソッド（TFM）、プレーンウェーブイメージング（PWI）を標準搭載しています。また、これらの機能を初めての方にも簡単に使用していただける機能や使い勝手を実現しています。複数の画像化技術を組み合わせて使用することで、検出信号に関するより多くの情報を得られることから、データの評価により自信を持って検査をすることができます。

お問い合わせ・ご質問

主な特長

OmniScan X4装置はそれぞれが包括的なマルチテクノロジーツールボックスであり、複数の超音波探傷技術を活用することが可能です。その検出および測定能力を活かして損傷が深刻化する前に正確にその重大性を特定・評価することで、亀裂や腐食の影響をもっとも受けやすい溶接部や構成部品、資産を保護します。

PCIを使用した確実な評価: 位相コヒーレンスイメージング機能により、フックの亀裂や応力腐食割れ（SCC）など、従来は検出が困難であった欠陥を検出し強調することで、疑いを解消します。PCIを用いて、細かい亀裂の中から個々の欠陥を明確に区別し、これらを確実に特定します。

TFM データ収集速度が3倍に: OmniScan X4シリーズの処理能力の向上により、これまでのモデル（X3 64）よりも最大3倍の*収集速度で鮮明なTFM画像を取得することができます。OmniScan X4 64:128PR 装置の高速度と128素子の能力を活かし、拡張フォーカス機能を備えたTFM探傷を実施します。
*この速度を実現できることは、構成とスパース発信法の使用にかかっています。詳細についてはお問い合わせください。

TFMとPCIのツインなら信頼性は2倍: PCIとTFMのそれぞれの属性を活用して、両側から同時に溶接部の容量をしっかりと調べます。2本のプローブを使用して1回のパスで溶接部をスキャンし、TFMとPCIの結果を表示して、欠陥指示の特性評価を効率的かつ正確に比較、測定、確認します。

スピードとシンプルさを追求した設計: フェーズドアレイ、TOFD、TFM、PCIの実行は、OmniScan X4シリーズで簡単かつ直感的に行うことができます。経験レベルに関係なく、検査員は、シンプルなステップバイステップのスキャンプランとアプリケーションプリセットを利用して、これらの手法を効率と信頼性を高めて活用できます。

便利なアプリケーション事前設定機能: OmniScan X4アプリケーションの事前設定機能で学習効率を向上し、操作者間のように検査の信頼性と一貫性を向上させます。経験の浅い方や初心者の方でも、数分で最適なPAやPCIを作成することができます。

複雑な構成を簡単に: OmniScan X4スキャンプランの直感的でステップバイステップな3Dグラフィックスにより、検査設定を、最も基本的なものから最も複雑なものまでより簡単に行えるようになります。

アプリケーション

16:64PR

16:128PR

32:128PR

64:128PR

下記用途に最適：

腐食モニタリング
パイプラインインテグリティ
マニュアルPA/TFM
TOFD
小型配管

以下に最適なミドルレンジモデル：

薄型溶接部（＜25 mm）
風力発電用ブレードの製造
航空宇宙産業用探傷

粗粒材料を含む高生産性溶接部検査が可能：

厚い溶接部、最大75 mm
オーステナイト/CRA
時折TFMあり
石油・ガス

さらに厚い粗粒材料における高生産性溶接部検査：

極厚溶接部、最大100 mm（64素子のアパーチャー（開口幅）を用いてサイジング精度を向上）
オーステナイト/CRA
集中的なTFM（HTHA）
高度な石油・ガスおよび電力発電
FMC収集およびアプリケーション開発

仕様

特段の記載がない限り、すべてのモデルについて使用が記載されています。

一般仕様	サイズ（W×H×D）	335mm × 221mm × 151mm
	重量	16:64PRモデル：5.7kg（バッテリー1個含む） 16:128PR、32:128PRおよび64:128PRモデル：5.9kg（バッテリー1個含む）
	内蔵ストレージ	1TBの内蔵SSDストレージ。各ファイルサイズは最大25GB。外部USBメモリーでストレージを拡張可能
	ストレージデバイス	SDHCカードとSDXCカード、または最も標準的なUSBメモリー
	ワイヤレス	Wi-Fi® 6EおよびBluetooth® 5.3を搭載
	PAUTコネクター	PAコネクター x 1、UTチャンネル x 2（それぞれP/Rコネクター x 2で合計4UTコネクター）
	利用可能な構成およびグループ	OmniScan X4A - 64 :128PR : 最大8 OmniScan X4A - 32 :128PR : 最大8 OmniScan X4A - 16 :128PR : 最大8 OmniScan X4A - 16:64PR: 2グループ（PA、UT、またはTFM）または2つのPAグループ＋1つのTOFDという特定の構成
	耐落下試験	MIL-STD-810Gに準拠した落下試験合格
	防塵・防滴性能	IP65準拠（全方向からの噴射（6.3mmノズル）に対する防滴及び防塵性能）
	ディスプレイ	269 mm（10.6インチ）抵抗膜方式タッチスクリーン付きTFT LCD、1280 × 768ピクセル
	バッテリー	リチウムイオンバッテリー×2（ホットスワップ可能）、各87Wh
	バッテリー稼働時間	5時間以上（ISO18563標準設定パラメータを使用）
	温度（使用時）	10 °C～45 °C
	気温（保管時）	−20 °C～60 °C（バッテリー搭載） −20 °C～70 °C （バッテリー非搭載）

入出力	ポート	USB 3.1 x 2、ビデオ出力（HDMI）x 1、SDHCメモリーカードスロットx 1、通信（イーサネット）x 1
	エンコーダー	2軸エンコーダー（A/B相、またはパルス/方向）
	デジタル入出力	デジタル入力（TTL） x 4、デジタル出力（TTL） x 4（うち1つはデータ収集オン/オフ用）
	外部電源	18VDC、中央円形、2.5mmピン直径、中央ピン-正

一般的な超音波仕様	有効デジタイジング周波数	最大100MHz、ユーザーが調整可能な圧縮係数
	最大パルス繰り返しレート（PRF）	最大20 kHz、実際の最大PRFは、物理法則によって制限されることが多い（超音波信号を取得するために必要な伝播時間）
	A-スキャンデータポイントの最大数	最大16,384
	A-スキャンビット深度	16ビット
	整流	RF、全波、半波+、半波−
	ビデオフィルタリング	スムージング（プローブ周波数帯域に適応）
	フィルタリング	PAチャンネル：バンドパス、ハイパスの各フィルターを選択、および平均化 UTチャンネル：ローパス、バンドパス、ハイパスの各フィルターを選択、および平均化
	時間補正ゲイン（TCG）	PA： 0.1dBステップで40最小 UT： 0.1dBステップで100最小最大スロープ 40dB/10 ns
	対応するビームの種類（グループ）	フェイズドアレイ超音波（PAUT）ビームの種類（リニア、セクター、複合）、超音波ビーム（UT）、伝播時間回折超音波（TOFD）、トータルフォーカシング法（TFM）、位相コヒーレンスイメージング（PCI）、フルマトリックスキャプチャ（FMC）、平面波イメージング（PWI）の選択
	生フルマトリックスキャプチャ（FMC）データ収集	X4 64:128PRおよびWeldSight検査ソフトウェア、または同等のソフトウェアを使用する場合にのみ利用可能

超音波仕様			PAチャンネル	UTチャンネル
	認証	校正証明	ISO 18563-1:2022	EN22232:2020
	パルサー	パルス幅	30ns～1000nsの範囲内で調整可能 5nsの分解能（バイポーラパルスの半周期または負パルスの持続時間）	30ns～1,000nsの範囲内で調整可能分解能：2.5ns
	パルサー	パルス形	gridwidth="3"バイポーラ正負矩形波	負矩形パルス
	レシーバー	ゲイン範囲	0dB～80dB、最大入力信号：900mVp-p（フルスクリーン高さ）	0dB～120dB、最大入力信号 30Vp-p（フルスクリーン高さ）
	レシーバー	システム帯域幅	0.2MHz～26.5MHz	0.25MHz～28.5MHz

PAUT仕様	OmniScan X4 Variant	64:128PR	32:128PR	16:128PR	16:64PR
	最大パルシング同時励振素子数	64	32	16	16
	最大受信信号数	128	128	128	64
	フォーカルロウ数	最大合計1024（グループごとに最大512）

FMC / TFM / PCI / PWI仕様	OmniScan X4 Variant	64:128PR	32:128PR	16:128PR	16:64PR
	最大拡張同時励振素子数（FMC）	128	64	32	32
	最大同時励振素子数(PWI)	64	32	16	16
	最大TFMまたはPCIグループ	4	4	4	2
	ライブTFM包絡線	対応 - 実際のヒルベルト変換
	画像解像度	最大 1024 × 1024 (1Mポイント）（TFMまたはPCI波形データセットごと）
	FMC対応波形データセット	パルスエコー: L-L、T-T、およびTT-TT セルフタンデム: TT-T、TT-TTT、LL-L、LT-T、-T、TT-Lおよび-L
	PWI対応波形データセット	パルスエコー: L-LおよびT-T